2006年09月05日

No.169 消閑の挑戦者3 ロスト・エリュシオン

 消閑の挑戦者3 ロスト・エリュシオン 扉絵.jpg

「もう着くで、いるる。正気に戻ってや」
「む、そうか。……いよいよ私に脱げというんだな」

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 消閑の挑戦者3 ロスト・エリュシオン.jpg

『消閑の挑戦者3 ロスト・エリュシオン』

 夏休みもそろそろ終わりにさしかかったある日、小槙と春野は従姉妹のいるるの手伝いのため、混沌の街・アウルスシティへ。
 大学の研究所の手伝いとして呼ばれたいるる。
 そこでの研究とは、人間の脳をいじり超人を作り出すものだった……。
 脳をいじるという行為は許されるのか、許されざるものなのか?
 小槙はPCのチャットを介し、初めてとも言える友人を得、そしてその隠された裏側を知る。
 今までになかった感情に戸惑い、迷う小槙だが……。

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 扉絵に魅了され買い始めたライトノベル、消閑の挑戦者シリーズの第3弾。
 毎回異なるテーマを元に頭脳戦が展開される。で、今回のテーマは「脳」
 今回はヒロイン、鈴藤小槙の従姉妹、いるるが登場。
 登場人物の「濃さ」も増し、絶好調のこのシリーズはやっぱり面白い!

 小槙の言動が霞むほどの弾けすぎたキャラたち。
 特に小槙の従姉、いるるが強烈。小槙、春野を交えた3人の会話は特筆モノ。
 ――というわけで、今回もその特筆モノの会話を抜粋したいんだけど、一体どのシーンを抜粋するか迷うところ。
 まぁ無難に最初のシーンを抜粋しますかね。

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 小槙といるるの2人がドッジソンという喫茶店のオープンカフェでの会話シーン。
「小槙、キミはほんとうに友達がいないのかい? ……えーと、じゃあ彼だ。ほら、キミが果須田裕杜のゲームでペアを組んだとかいう同級生。ついこの前も、灰火秋島でいっしょだったんだろう?」
「……」
 小槙は偶然の積み重ねにより、果須田裕杜のゲームと、灰火秋島の事件の中核に関わることとなった。そして、小槙のそばにはいつも彼の姿があった。
 同級生。
 挑戦者。
 そして――パートナー。
 小槙は、彼をどう表現すれば良いのか、わからない。どれも当てはまるように思え、しかしそのどれもが彼の本質を表していないようにも思える。
「知らへん。誰のことやろう」
 小槙はきっぱりと言い放った。コーヒーを口にしつつ、無表情にいるるから目をそらす。
「あれ? いや、確かに聞いたぞ。私の記憶力をナメないでくれ。名前は、確か……あれ? なんだったかな。言ったそばからド忘れだ。春……春……ああ、ダメだ。前言撤回、私の記憶力なんてこんなもんだ。力一杯なじってくれ」
「いるるはダメやなぁ」
「ああ、ダメだ。私はダメなヤツなんだ。いっそ思いきり殴ってくれ。むしろ慰めてくれ」
「どっちやねん」
 頭を抱えてノートパソコンの上に突っ伏す従姉妹の頭を、適当に撫でてやる。
 すると小槙は、歩道に見覚えのある顔を見つけた。
「春野くん」
「そう、それだ。春野祥。高校一年生の十六歳――ん、どうした、小槙? 首がヘンな方向にねじ曲がっているぞ」
 可能な限り、歩道から顔をそむける小槙。そんな彼女と歩道を見比べ、頭の良い従姉妹は事態を理解したようだ。いるるが、歩道に向かって手を挙げた。
「ヘイ、春野祥!」
 タクシーを呼ぶかのごとき従姉妹の声が、小槙の肩を震わせた。
「ん?」
「振り向いたな。そう、キミだよ。キミが春野祥か、なるほどね。ちょっとこっちへおいで。綺麗なお姉さんとお喋りしようじゃないか」
「誰だ、アンタ? ……あ、鈴藤さん」
 聞き覚えのある、良く通る声が背後から聞こえた。
「ちゃいます」
 歩道を見ないようにしたまま、小槙は言った。だが、それもすぐに無駄な抵抗に終わる。
 木製の柵を越えて忍び寄った手が、小槙の頬に触れた。
「いひゃいいひゃい、ほめんなはい。ふほふいへほめんなはい」
「やっぱり鈴藤さんじゃんか」
 頬をつねられ、強引に振り向かされた小槙の前に、少年の笑顔があった。
 春野祥。
 小槙のクラスメートにして、最近になって何かと縁のある少年だ。縁とはいっても、それらの多くがトラブルを伴うものだったが。こちらの迷惑も考えずに頬をつねるというクセをもっているため、小槙は彼のことが苦手である。
「訳そう。彼女は“痛い痛い、ごめんなさい、嘘ついてごめんなさい"と言っている。まあお手柔らかに頼むぜ。鈴藤一族は体が弱くてね。普段から天地無用、壊れ物注意の札をはっつけて歩きたいくらいなんだ」
「アンタは?」
 祥が小槙から手を離し、柵の上で腕を組む。いつものことだが、小槙に対する謝罪はない。
「私も、鈴藤さんだ。つまり、私も鈴藤一族の、小槙とは四親等離れた親族にあたる。もっと端的に言うなら、小槙の従姉妹だ。いるるという。以後よろしく、春野祥くん」

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 ここで鈴藤小槙と春野祥といるるが出会い、物語が始まる。
 以上、毎度の冒頭シーンからの抜粋(一部改変)でした。

 これ、日付を調べたら1年以上前に発売した本だったりする。
 現在この3巻まで出ているわけですが……伏線らしきものが張られ、これから物語が面白くなっていくような予感を孕んだ終わり方。
 4巻は一体いつでるのか!? 気になるじゃないかー!!

 早く新刊でますように。
 祈りながら消閑の挑戦者シリーズを追いかけていきたいと思います。



posted by BlueTasu at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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