2006年07月06日

No.99 夏が嫌いな理由 2

 姉の機嫌が梅雨の湿気とともに悪くなって行く。
 とにかくうちの姉は梅雨が嫌いだ。
 まぁ梅雨に限らず、雨のじめじめした気候が嫌いなのだが。
 姉もあれはあれで職場でも色々あるようだし、大嫌いな季節ということもあってか、ストレスが溜まるのだろう。
 そうすると周囲……特に私に対しての風当たりというか、八つ当たりというか、とにかくそういった迷惑度が酷いことになる。
 そりゃもう酷い。
 どれだけ酷いかというと....

「おう、ワレちょっとツラかせや」

 と、お前いつの時代のワルだよ、とツッコミたいくらいヤクザなセリフを浴びせられ、そして有無を言わせず道場のほうへ引っ張っていかれる。
 道場というのはうちにある柔道場のことで、一面タタミのある部屋のことで、我が家の治外法権の場所のことだ。
 つまり、

 泣いても叫んでも誰も助けてくれない場所

 である。何をされようが、練習、の一言で全てが済んでしまう場所なのだ。
 そこでもうぶんぶん投げられる。
 姉は本当に柔道が強いので、大の大人である私だろうがなんだろうが、もうズッバンズッバン投げられる。
 もう下手に逆らうと怖いので受身を取ることに専念するのだけれど、たまにこっちも攻めないと

「ワレやる気ないんか? やる気なかったら怪我するで、怪我さそか、折ったろかーっ!」

 とか言って関節技までもっていかれたりするので大変危険なのである。
 つか、無理やりひっぱってきといて、やる気がないとか言われるのも大概だが……。
 とにかく姉のストレス発散のために、文字通り体を張らないといけないのである。
 はっきり言って耐えられない。ボロボロである。
 姉の体力はS2機関でも搭載されてるのかってくらい無尽蔵で尽きることがない。
 そんなの相手に組み手をさせられるわけだし、第一普段からもう運動をしなくなった私が付き合うにも限度がある。
 もって4,50分。1時間は最近もったためしがない。

「もう無理……立てない……」

「情けないのぉ。しゃあない、次は弟にするか」

 こうして、次の犠牲者という名の生贄が捧げられる。
 そうしてようやく私は這う這うの体でその場から退散できるのだ。

「お兄ちゃん、生きてる?」

 道場から弟の悲鳴が響き始めるのと同じくらいに妹が救急箱を持って現れ、擦りむいたところなどを手当てしてくれる。
 これくらいの気配りが姉にはできないもんだろうかなぁ……。

 夏は嫌いだ。特に梅雨は嫌いだ……。
 じめじめしているのはともかく、こうやってつき合わされるのが嫌なんだ……。
 そして梅雨が終われば夏が本格化。
 夏は夕立の季節でもある。
 夕方、仕事から帰宅する際に、なぜかよく雨にあってしまう姉。
 傘もってけよ、とツッコミたくなるのだが、

「んなチンケなもん持っていく気なんぞないわ」

 と取り付く島もない。
 貞子みたいにずぶ濡れのずたぼろになって帰ってくるよりいいと思うんだけどなぁ……。
 ――で、夕立の直撃を受けた後は当然の如く機嫌が悪く、また道場送り、島流しの目に遭うのである。
 

 夏の暑さは嫌いだ。夏の暑さは我慢できない。
 そして暑さを吹き飛ばす恵みの雨、夕立も違った意味で嫌いなのだ。
 これも我慢できないというか、耐えられない。
 早く秋になってくれ、と願う日々は続く……。
 9月って遠いなぁ……。

 ・
 ・
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 ――ちなみに

「うおおお、台風きたーっ! 吹けよ風、巻き起これ嵐っ!! 荒れ狂えーっ!!!」

 台風が来ると、姉の機嫌がよくなるのは謎だ。




posted by BlueTasu at 00:00| Comment(2) | TrackBack(0) | 日常 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
このグレイトな展開に僕のコメントは一つ。

「妹萌え?」

つか自分も妹はいるけど萌えはなかった。
なのにそれを問いたくなるほど対角線上の
オブジェクトが強い光というか、深い闇というか(^^;。
Posted by クリス at 2006年07月07日 23:38
 ……グレイトな展開ってなんだ、と思いつつも一応言っておきます。

萌えませんから。

妹にそんな感情は抱きませんから……。
つか、妹も大概変な性格してるしなぁ。

Posted by BlueTasu at 2006年07月08日 00:11
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