2006年04月08日

No.24 我慢の限界

 もう我慢の限界。
 私はFF12がやりたくて、そしてその楽しさの一環を知ってもらおうと――しなくてもすごく売れてるから、そんなことしなくてもいいとは思うけど――いや、そもそもそういう問題ではない。
 なのに馬鹿姉が今更DDRなんかやりたいとか言って、私のPS2を独占禁止法だなんだと難癖つけて――いやまぁ結局逆らえないんだが――奪われてしまってから、非っっ常にストレスがたまる一方だ。

 やりたいことをやれない辛さ。

 我慢の出来ない奴だと言われるかもしれないが、そもそもあの姉に二十数年間以上付き合っているこの事実こそが我慢強さの証明のように思えるのだが、そのへんは考慮されているのだろうか?
 というか、支離滅裂な文章になってしまって申し訳ないが、結局何が言いたいかというと、FFがしたいってことだ。

 最近のブログの更新内容を見てもらえばわかるが、ユグドラだったりV&BだったりかまいたちだったりメトロイドだったりMHだったり、やりたい方向性が見事にばらばらだ。
 もちろんユグドラは楽しいし、V&Bは面白いゲームだったし、かまいたちは簡単だったし、メトロイドは実はまだ手を出していなかったり、MHはすっごく楽しかったりする。
 しかし――FFをやりたいのを抑える為に色々色々手を出しはしたが、ちっとも満たされないのだ。
休みの日に弟の部屋に忍び込み、こそこそとレベル上げに勤しんだりもしていたのだが、所詮1時間、2時間だ。
短時間でできることには限りがあり、やはりRPGというのは長い時間を使って集中的にズガーッとやるのが楽しいのだ。
こんなのちっとも楽しくない。

仕方がない。
私は給料日前の寂しい財布とにらめっこしながら、馴染みのゲームショップの扉を開いた。

「親父、何も言わずPS2をくれ!」

 勝手知ったる人の家、ならぬ、勝手知ったる常連客。
 最近すっかり禿げ上がり、蛍光灯がまぶしく反射する頭をした親父さんは、私の来店に対し、「いらっしゃいませ」の「い」の字も口からでてこなかった。
 まぁ当然といえば当然。いきなりPS2をくれ、だし。
 しかしこの親父さん、ただものではなかった。

「条件次第ではPS2をやろう」

 ピカリとデコを光らせつつ親父さんは言った。
 って、PS2くれるの? マジですかっ!? ――などと喜んではいけない。
 この親父、いつもとんでもないことを言い出すからだ。
 
「お前の持っているPSPとDSと交換するならやろう」

 無茶苦茶だよ、このはげ親父。
 当然、そんな交換条件に応じるわけはない。
 つーか、新品のPSP1台の値段でPS2買えるじゃないか!

「イヤなら帰れ」

 なんて奴だ。これで商売人なのか!?
 親父は冷たく言い放つと、買い取ったばかりのゲームのROMを拭き始めた。
 そして親父は用件がないならサッサと失せろ、と言わんばかりにディスクに『フーッ』と息を吹きかけた。
 しかし、ここでおめおめと帰ってしまっては、結局FF12は出来ない。
 帰った瞬間、「PS2返すわ、ありがとう」 などと、あの姉がニッコリ笑って返してくれるなどという、そんなありえない奇跡を期待するわけにはいかないのだ。

「……普通にPS2売ってください」

 なんとも屈辱的だが、ここらへんの中古ショップで一番安いのがここだ。
 しかもポイントがたまるので、次になにか買うときにもさらに安く買える。
 ここで買うしかない。買わなければ永遠にPS2でFF12はできないのだ!
 そんな悲痛な覚悟をこの親父は知ってか知らずか、

「まぁ売れ残りのソフトをつけといてやろう」

 と、わけのわからぬサービス精神を発揮してくれた。
 いや、そんなのくれるならその分の値段を割り引いてくれるほうがよっぽどありがたいのだが、人の好意は素直に受け取らねばなるまい。
 もし割り引いてくれ、などと言おうものなら、そのサービスごと全てを割り引かれそうだ。

 結局PS2を買った。ああ、買ったとも。
 これで壊れた分を含めると3台目である。
 なんという贅沢であろうか。
 だが、これでFF12が出来ると思うと安い買い物だ。
 それに明日は桜花賞、待ちに待った春競馬の開幕さ。
 私は桜花賞と皐月賞は相性がすっごく良いのだ。
 当てて見せるさ万馬券、ビッグタイム!

 私は明日に夢を託し、右手にはPS2が入った袋を下げ、家路に着いた。

 ・
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「ただいまー」

 時代が感じられる門の横の勝手口をくぐり、庭を突っ切って家の横開きのドアをからからと開ける。
 そして即2階の自分の部屋へと駆け込み、買ってきたばかりのPS2の箱をぶち破る。
 FF12のROMをセットし、手早くコンセントやビデオ端子を接続する。

 ああ、久々にマイ・ルームでのFF12♪
 電源をつけると、そこには聴き親しんだプレリュードが流れ感動……に浸るまもなく、私は現実に引き戻された。
 部屋の扉がノックなどされることなく乱暴に開かれ、夕日をバックに仁王立ちしているのは、マイ・シスター……。
 襲い掛かる不吉な予感。
 急いで帰ってきたせいで弾んでいた息を飲む私。
 汗は猛烈に冷たくなって背中を流れ落ちる。
 そんな――こちらの気持ちもお構いナシに、姉は言い放った。


「飽きた、返す」


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 ・


「もう返ってこないと思って新しいの買ってしもたがなっ!!」(絶叫)


「知るかボケッ!」(瞬殺)


 奇跡は起きた――最悪な形で。
 まさか返ってくるとは……夢にも思わなかった。


 TV画面では、プレリュードから勇壮なメインテーマへと変わりつつあった。
 そのメインテーマとともに、颯爽と去って行く姉。
 しかし私の表情は冷たく凍ったままであった……。




posted by BlueTasu at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 日常 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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