2007年02月21日

No.311 憧れのモンスターハンターポータブル2nd

(前書き:今回の話は、No.309の 素晴らしく真剣な話 を先に読んだほうが話の流れをスムーズに理解できると思いますので、読んでいない方は先にこちらを読んでいただければ幸いであります)

 ――――――――――――――――――――――――――――

 今日は楽しみにしていたモンスターハンターポータブル2ndの発売日。
 え? 発売日は22日だろう?
 ちゃうちゃう。私の行きつけの店(行きつけの店って普通飲み屋とかで使う言葉だけど……)は、発売日の前日に販売してくれるんですがな。

 しかしこの店は夜の9時に閉店する。
 で、最近の仕事はというと、9時頃に終わるわけで、その時間に帰宅ということは私にとって死を意味する。
 電車で帰ることを考えるならば、会社を出るタイムリミットは午後8時。
 弟との約束など守るつもりがカケラもこれっぽっちもない私は、発売日前日に購入すべく、この日のために布石を打ってきた。
 先週末辺りから積極的に残業をかって出つつ、自分の仕事は終わらせていく。
 そして昨日あたりから体調があまり優れない様を装いつつ、それを今日に繋げていく。
 すると――

「今日はもう君の分の仕事もあまりないし、体調も優れないようだから早めに帰って良いよ。by上司」

 と、こうなる。

「え、そんなの悪いですよ……」

 と口では言いつつ、心の中では踊っている。
 そう、私の腹は真っ黒さ。目的のためなら手段は選ばないのさっ!!
 ……大威張りで言うセリフではないことは確かである。

 午後7時半。
 計画的な完全犯罪をやってのけた私は、清々しい気持ちで会社をあとにする。
 この時間に会社を出れば、8時半には店に着くハズだし、余裕余裕――と心の中で計算するも、ここで油断してはいけない。
 無事ブツを手に入れ家に帰るまで、ミッションコンプリートとは言えないのだ!! 
 これが有名な 『遠足は家に帰るまでが遠足のルール』 である。

 8時半。
 無事店に到着。
 代金はすでに払ってある。
 商品を受け取り、帰ればミッションコンプリートだ。
 私は自動扉が開閉するスピードが遅く思え、苛立つほど逸る心を持て余して入店した。

 ここの店長は通ううちに親しくなった私の友人みたいなもので、気心の知れた仲である。
 というのも、彼はゲーム好きで競馬ファン。
 脱サラし、牧場で働くかゲームショップを開くかの2択で悩みぬいた末に開いた店なのだそうだ。
 そんな人だから、同じく競馬ファンでゲーム好きの私とウマが合わないわけがない。

 彼はくだらない冗談を言う癖がある愉快なオヤジだ。
 自動扉をくぐれば、いつだって「いらっしゃい」とおっさん臭い声でニコニコしながら私を出迎えてくれる。

「やぁ、いらっしゃい。もうそろそろ来ると思っていたよ」

 想像通り、ニコニコとスマイルで出迎えてくれる店長。
 私のモンハン好きを知る店長だ。
 発売日が決まるや否や、「君の分は予約しておいたけど、良かったかね?」 と電話してきてくれた。
 よくわかっていらっしゃる。
 ウチ以外で買うなよ、と釘を刺されたも同然だが、前日に売ってくれる店を私は他に知らないので、期待する新作はいつもここで買うので問題はなかった。
 更に言うなら店長もモンハン好きで、私と店長は狩り仲間であり、ライバルでもある。
 モンハンPが出た昨年は、よくこの店が閉店してから一緒に狩りにでかけたものだ。
 そしてソロプレイの間には、店長より良い装備を整えるため、競うようにして睡眠時間を削ってプレイしたものである。

 ――その日々がまた今日から始まる。

 私は楽しみで楽しみで仕方なかった。
 そんな弾む心を隠しきれずに

「モンハン、入荷した?」

 と聞くと、店長はやっぱりニコニコしながら

「うん、したよ」

 と頷いた。――が、しかし

「じゃあください」

 と言うと、

「うん、ないよ

 とか言うのだ、このオヤジは。

 ・
 ・
 ・

「はぃ?」

「発売日前に買えるなら倍払ってもいいって客に売ったよ」

 笑顔を崩さず、やはりニコニコと言ってのけるオヤジ。

「うぞん」

「ほんとほんと」

「マジで?」

「いや、嘘だけどさ

 ・
 ・
 ・

 何この展開?
 もう少しで「てめぇ、“予約”と“信用”って単語を辞書でひけコラァっ!」と怒鳴るところだった。
 冗談好きな人ではあるが、こんな性質の悪い冗談は珍しい。
 そう、私はこの時 『笑えない冗談だ』 と思っていたのだが……この後、さらに笑えない事実が私を待っていたのである。

 やっぱりニコニコと笑顔のまま、店長は言った。

「でもね、モンハンがないのは本当だよ」

「ぇ……?」

「ほら、弟君がウチに来てね。君の分、持って行ったよ」

「ぇ? ぇ?」

「ほら、弟君もモンハン好きだからね。でも弟君、もうすぐ受験らしいじゃないか。それまで我慢するために、君と一緒にモンハン断ちするって約束したそうじゃないか。いい話だねぇ。でも兄貴は信用ならないんで、預からせて下さいって、持って行ったよ。しっかりした子だね」

 ・
 ・
 ・

「……マジで?」

「うん」

「またタチの悪い冗談じゃないよね?」

「(ほがらかに)やだなぁブルータスくん、僕は傷ついちゃったよ。いつだって僕は真剣なのにさぁ」

 じゃあ最初の冗談はなんだったんだ――と、今なら改めてそう思ったが、この瞬間の私の頭の中は...

 してやられた

 という思いでいっぱいだった。

「あの野郎……」

「ダメだよ、約束は守らなきゃ」

「じゃあ店長は……」

「ん? 僕は勿論、今夜は徹夜だな。今度新しい装備があったら見せてあげるよ」(とっても嬉しそう)

 ・
 ・
 ・

 それがイヤだったんだっ!!


 いつもニコニコした店長ではあるが、ここまで愛想の良いというか機嫌が良いのには何かあるなと思っていたのだ。
 最初は『今日がモンハンの発売日だから』だと思っていたのだが、こういう理由だったとはっ!!

 だめだ、すでに弟の手にロムが渡ってしまった時点で終わりだ。
 ならどうする? 別の店で新しいのを買うか? そうしないと店長にひたすら差をつけられてしまう。3月中頃までだなんて、待っていられるわけがない! でもそうすると1つ余る。もったいない。4月に逆転裁判が出るし、モンハン3のためにPS3は欲しいし、家のローンはあるし……どうする? どうする!?

 未だ答えを出せずにこれを書いている私。
 さて、どうしたものか……。

 帰宅するや否や、弟は「兄貴、モンハンを探そうとは思わないこと。俺と兄貴のPSPは妹に預けたから。絶対な」と来たもんだ。
 まいった、こっちの行動、言動を読んでやがる。

 ここで私のよろしくない頭脳から浮上する解決策は2つしかない。
 1つ、弟を説得、誘惑し一緒にモンハンをやる――のは妹にPSPを預けた時点で受験が終わるまで帰ってくるはずがないから不可。
 ならば最終手段。PSPごと新品を買うか、だ!!

 ・
 ・
 ・

 買えるわけないだろっ!

 財布を見つつ絶叫。
 無理、ワシには無理じゃ……そんな金、あらしまへんがな。
 今頃店長は楽しくハンター生活を始めてるんだろうなぁ。
 悔しい、悔しすぎる。
 やれないとわかると余計にやりたくなる。
 今度からは予約したものは後払いにしよう、などと反省するも後の祭りだ。

 あーっ!! モンハンやりてぇっ!!


posted by BlueTasu at 00:00| Comment(7) | TrackBack(0) | ゲーム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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