2006年11月20日

No.239 茅田砂胡作品・その1

 スカーレット・ウィザード.jpg

 茅田砂胡氏によるSF長編シリーズ、スカーレットウィザード。
 海賊達の王 〜キングオブパイレーツ〜 の異名を持つ一匹狼の船乗りケリーに奇妙な仕事が舞い込む。
 依頼主は宇宙最大規模の企業、クーア財閥の女王・ジャスミン。
 深窓の令嬢と名高いクーア財閥のお嬢様だが、180cmを裕に超える身長に、鍛え上げられた肉体、そして携帯した大型銃。
 豪胆かつサッパリとした性格は、とてもじゃないが世間の噂通りの令嬢ではない。
 そんな女からの 『合法的な依頼』 は、ケリーの度肝を抜くものだった。

「1年だけ結婚してくれ」

 遺産争いが激化するクーア財閥。
 依頼主の要望は、殺しても死なない男。
 それに該当するのが海賊王として名を馳せるケリーだったのだ。
 しかし宇宙きってのお尋ね者、キングオブパイレーツがこんな仕事を引き受けることはプライドが許さない。
 一匹狼の誇りを賭け、決着は宙(そら)でつけることになったのだが……。

 ――――――――――――――――――――――――――――

 もし、私が好きな小説家は? と聞かれれば、ファンタジーなら山本弘、推理なら東野圭吾、そして女性作家なら茅田砂胡、と答えるだろう。
 この三者、まったくもって作風が違うのだけど。

 茅田砂胡の作品は、商業紙は全て読んでいる。
 このほかにも面白い小説がいっぱいあるが、それは別の機会においておく。

 このスカーレット・ウィザードのジャンルは、SFハーレクインロマンス、と銘打ってあるのだが、ぶっちゃけ、これは作者の誤った価値観からきたものだ。
 作者曰く、ハーレクインロマンスは、男女が劇的に愛するものであればいい、と思ったらしい。
 でもこの恋愛、ちっとも甘くない。
 甘くないハーレクインロマンスなって存在しない、と担当さんから指摘を受けて途方に暮れたらしい。
 茅田さんらしいエピソードだな、と思ったと同時に、こういう作者だからこそこういう作品を書けるのだな、と納得した。

 このスカーレット・ウィザードの魅力は、全ての茅田作品に言えることだが、キャラクターにあると言っていい。
 型破り、という言葉があるが、この言葉はまさに茅田作品のためにあるようなもので、一般の人々の常識・思惑というものを、彼らは気持ち良く裏切ってくれる。
 無茶の独壇場、大盤振る舞い、と作中で書かれているが、まったくもってその通り――なのだが、やがてそれらがすべて合理的に思えてくるから不思議だ。
 破天荒な行動、そして言動は無茶苦茶だが、合理的。
 他には絶対にない個性、という名の魅力が、茅田砂胡の小説の大きな武器だ。
 確かに個性的ゆえ、独特のクセがある作品だが、読み進むうちに止まらなくなり、いつのまにか茅田ワールドに浸ることになる。
 もちろん私もその一人。
 読んだことがない人、一度でいいから茅田ワールドを読んでほしいなぁ。


posted by BlueTasu at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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