2006年10月15日

No.208 初試合

 参加人数は十数名。約4回勝てば優勝となる、小規模なビリヤード大会が今日行われた。
 種目はナインボール。
 参加資格は、Bクラス、Cクラス、そしてビギナーズクラスの3クラスのみで、Bクラスは4セット、Cクラスは3セット、ビギナーズクラスは2セットを先取すれば勝ちとなる。
 私は始めたばかりなのでビギナーズクラス。なので2セットとれば勝利となるのである。
 この大会に私がビリヤードを始めるきっかけを作った男、 Ryou と共に参加。
 Ryou は3度目らしく、彼は Cクラスである。

「まぁ力を抜いてやればいいよ。勝負は時の運だからさ」

 その通りである。
 試合前、私は Ryou と共にウォーミングアップの練習を行っていた。
 ビギナーズの大会、ということで私は甘く見ていた。
 そんなに強い人は来ないだろう、と思っていたのである。

 ――が

 私たちが練習をしている台の横で始めた人が、物凄くうまかった。
 ゆっくりした動作、しなやかなストロークから力強く繰り出されるショット。
 そして放たれるたびにポケットに落ちていく的球。

「あ、あの人とは当たりたくないな……」

 Ryou もボソっと呟いた。うん、私もそう思ったね。

 ――が

 1回戦、Blue さんと N さん、試合を始めてください、とアナウンスされた。
 N さんってどんな人だろなぁ、などと思っていると、あの上手い人がこちらへ来るではないか。

「N です、よろしくお願いします」

 ……終わった。即座にそう思った。

「が、頑張れ……」

 そう言って Ryou は私の肩をポンとたたき、去っていく。
 
「Blue です。よろしくお願いします」

 どうせ負けるんだ。私は腹をくくった。
 相手は案の定 Bクラスで、4セット先取しなくてはならない。
 それなら1セットくらいは奪ってやる!

「ブレイク、スタート!」

 掛け声と共に各台でブレイク!
 パッカァーンという乾いた破裂音が各所で鳴り響いた。

 N さんは目の前で見ても、やはり上手かった。
 なんというか、キレが違うのだ。
 大したスピードのない球でも、的球に当たった瞬間、手玉がグッと戻ったり伸びたりして、見ているだけでもその実力差がわかってしまうのだ。

 しかし、相手も初戦ということで固くなっていたのだろうか?
 6,7,8,9番の4つを残してスクラッチしてしまい、私に出番が回ってきたのである。

 断っておくが、私は4つも落としきるなんてことは、確率で言えば5%もない程度であると思う。
 だからここで出番がまわって来ても、このセットを取れるだなんて、これっぽっちも考えていなかった。そりゃ取りたいな、とは思ったけれど。
 まずは6番。手球はフリーなのでポケットとまっすぐになるように置いてポケット。
 次は7番。少々遠いが的球はポケット前。軽く撞いてポケット。
 あと2個、8番はクッションにピタリとくっついており難しい位置。
 しかし奇跡は起きた。
 外した球が9番にヒットし、なんとその9番がポケットしてしまったのである。

 ナインボールは9番を落とせば勝ちである。
 私は偶然ながらも9番を落としたので勝利。
 1セットをとり、早くも王手をかけた。

 しかし相手はやはり上手い。
 王手をかけられても慌てることなく、2セット目、3セット目と連取された。
 しかし4セット目、8,9番を残して出番がまわって来た。
 これを見事、外した私。だが、8番と9番が偶然にもくっつき、9番が8番を手球から隠す配置となったのである。
 N さん、難しい顔をしてこれを睨む。
 クッション位置を確認し、キューで反射角度を測っていた。
 しかし計算どおりいかないのがビリヤードである。

 N さんは見事8番にヒットさせて、しかもポケットしたのだが、なんと手球がスクラッチ。
 9番を残してフリーボールとなったのである。
 私はこの最高のチャンスを活かし、9番をポケット。
 なんと初戦を、しかも Bクラス相手の人に勝つことができたのである。

 2回戦進出。

 2回戦の相手は、Cクラスの Y さんという人であった。
 この人も私なんかより上手い――が、Nさんの方が上手いかな。

 1セット目。バンキングで勝利し、ブレイク!
 そんなに強くは撞いていないのだが、うまく1番に当たったようで、1番、2番、7番と、3個もポケットすることができた。
 しかも次の3番と9番が直線状にならんでいる状態。

「いいのかな……」

 そう思うほど簡単に、あっさりと9番を3番のコンビネーションでポケット。
 今回も1セット目を先取することができた。

 2セット目、私のブレイクは驚く結果に。
 なんと9番が他の球に当たって転がっていき、ポケットしてしまったのである。
 ブレイクで9番を落とすこと、これをブレイクエースという。
 たった3撞きだけで2セット連取し、勝利。
 相手に至ってはバンキングで先攻後攻を決めたときのみ、撞いただけである。

「お前、すごいな。今日死ぬんちゃう?」

 すでに1回戦で敗退している Ryou が冷やかし混じりにそういった。
 うん、実は私もそう思った……。

 さすがに運はこれで使い果たした。

 3回戦、準決勝。
 Bクラスの人を相手にして、あっさりとストレート負け。
 相手も9番を外したりと、私にも再三チャンスがあったのだが、これを活かすことはできず、改めてビリヤードの難しさを知る結果となった。
 1回戦のように開き直っていればともかく、変に優勝を意識してしまったのが敗因と言えよう。

 経過に関係なく9番を落とされたら負け。
 ナインボールとはかくも非情なゲームである。



posted by BlueTasu at 00:00| Comment(2) | TrackBack(0) | ビリヤード | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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