2006年08月29日

No.161 消閑の挑戦者2 永遠と変化の小箱

 消閑の挑戦者2 扉絵

「いただいて、よろしいんですか?」
「うん、せーの、で投げるんやで」

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 扉絵を気に入って読み始め、ハマったライトノベル、消閑の挑戦者シリーズ。
 1巻しか買わなかった私は苦労して2巻を探し出し、一気に読破してしまいました。
 やっぱりこれは面白い!!

 消閑の挑戦者2 永遠と変化の小箱

『消閑の挑戦者2 永遠と変化の小箱』

 完璧な王、パーフェクトキングを倒した鈴藤小槙(すずふじこまき)と春野祥(はるのさち)の2人はそれぞれ夏休みに突入した。
 鈴藤小槙は灰火秋島(うたびしとう)に住む科学者、アキヒコの招待を受け、超大型船“うてな" の乗客となり、春野祥もチェスの世界戦が行われる うてな に乗り込んだ。
 順風満帆のクルージングだったが、その平和は長くは続かない。
 船が凶悪な武装集団に占拠――シージャックに遭遇してしまったのだ。
 小槙は辛くも船を脱し、灰火秋島へと到着するが、そこにもシージャック犯の仲間、魔兵“狂戦士”が乗り込んできて……。

 前作のパーフェクト・キングとは全く趣の異なる物語。
 サスペンスな今作は、月並みな表現になるが、手に汗にぎる白熱の展開となった。

 ――それよりも

 やっぱり面白いのが、ヒロイン鈴藤小槙のセリフの数々。噴出しそうになって思わず頬が緩むね。
 抑揚のない受け答えしかしない小槙なんだけど、それが あずまんがでいう大阪みたいで面白い。つか、関西弁だし、大阪そっくりだなぁ……。
 今回も春野祥との駆け合いを一部抜粋。

 ――――――――――――――――――――――――――――

「あっ」
 体育館から出ようとしたところへ、大勢の生徒が押し寄せた。小槙は上級生に押されて壁にぶつかりそうになってしまう。
 小槙の手首を、誰かが掴んだ。
「大丈夫、鈴藤さん?」
 いつのまにか、春野祥がとなりにいた。壁に手をかけ、小柄な小槙を人混みから守っている。
「体力ないうえにちっちゃいんだから、空いてからでてくればいいのに」
 嘆息混じりに言う少年は、いつも小槙と同じ教室でふざけあっている姿と変わらない。喋り方も同様だ。わずかに茶色がかった瞳が印象的である。
「ほら、ちゃんとついてこいよ」
 言って、小槙の手を引いたまま歩いていく。
 大勢の生徒たちが入り交じる中、祥はまっすぐに進んでいく。これだけの人数がいるのになぜ直進できるのか、小槙には理解できなかった。他の生徒たちが彼のために道をあけているのだろうか、とすら思う――。
 そこまで考えたところで突然、頬を激痛が襲った。
「鈴藤さん、聞いてるのかよ!」
 自分の名前を呼ばれて、我に返る。春野祥が両手で、彼女の頬をひっぱっていた。
「いひゃいいひゃい、はふほふん、はへへー」
 どうやら自分は春野祥を凝視したまま、固まっていたらしい。
 “痛い痛い、春野くん、やめてー”という抗議が聞こえたのか、祥が呆れた顔で小槙から手を離して嘆息する。
「ったく、妄想にふけるのもいい加減にしろよ。人の話くらい、ちゃんと聞けよな」
「イジメや……これは間違いなくイジメやで。あかん、涙出てきた」
 頬をさすって涙を浮かべる小槙を、祥は謝るどころか困った顔で見つめている。
 そこではじめて、小槙はそこが教室でないことに気がついた。
 二人がいるのは、校舎の端にある正面玄関だった。他の生徒たちは皆、それぞれの教室に向かっているのだろう。廊下の先からざわめきは聞こえるが、下駄箱が置かれている周囲に人気はない。小槙と祥の二人きりだ。
「ここ、教室やないで」
「見りゃ分かるだろ。つーか、いま気づいたのかよ」
「どうして、こないなとこ来たん?」
「……やっぱり聞いてなかったな」
 小槙がたずねると、祥は嘆息した。小槙は超能力者ではないが、少なくとも自分に第六感という特別な感覚があることを確信した。
「やっぱりええわ。イヤな予感が――」
「鈴藤さんさあ、明日から二週間くらい時間とれない?」
 小槙の拒否を完璧に無視し、祥は笑顔で言う。
 明日から、というのはつまり、夏休みがはじまってから、という意味だろう。
 小槙は無表情のまま、首を傾げた。祥がなぜ唐突にそのようなことを言い出したのか、理解できない。
「どうして?」
「俺と、ちょっとした旅行に行かない?」
「百パーセントあり得へん」
 考えるよりも先に、本能が返事をした。
「ほな」
 またほっぺたをツネられないうちに退散しようとした小槙の眼前に、祥の腕が伸びる。祥が壁に手をかけ、小槙の行く手を塞いでいた。小槙の脳裏に、いつか見たドキュメンタリー番組の、ライオンに仔鹿が捕食されるシーンが思い浮かんだ。

 ――――――――――――――――――――――――――――

 以上、ちょっと会話シーンが少ないけど、冒頭のシーンからの抜粋でした。
 この後が面白いんだけど (祥にデコピンされた小槙が廊下にうずくまりながら、「……さ、殺人未遂や……しゃれにならんで……」 などと呟くのとか)、まぁそれは読んだ人だけの特権ということで……。

 3巻まで発売されているそうなので、また頑張って探そうと思います。




posted by BlueTasu at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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