2006年07月11日

No.105 地球存亡の危機

「明日パワプロ13買うんだろ! 勝負しに行くからな、覚悟しやがれ!」

 オンラインモード目当て、マイライフ目当ての人間に、いきなり対人戦の申し込みがきた。
 こういうふざけた電話をしてくるやつは1人しかいない。

 タカである。

 明日(本来なら明後日発売日だが)は予約していた実況パワフルプロ野球13の受取日。
 私がパワプロを買うと予想していたタカは、早速PSP版で苦渋を味合わされた借りを返すべく勝負を挑んできた。
 私は対戦より、前述したマイライフやオンラインモードを楽しみたかったのだが、まずは基本の野球部分を楽しむのもいいだろう。
 それに明後日と明々後日、うまく連休をもらえたのでパワプロを1人でする時間は十分ある。
 だから別に構わないか、と思い

「泣いて帰って二度とうちの敷居を跨ぎたくなくなるくらいボコボコに打ちこんでやんよ」

 と言って申し出を了承した。

「ふん。今までの俺と思うなよ? 俺は金本にスクイズさせるくらい堅実で野球の点の取り方を研究した男だぜ。点取り合戦、上等だ!」

「……まぁ点のとり方は人それぞれだけどよ」

 でも、なんつーか――金本でスクイズはあかんだろ……。
 ちなみに金本とは、阪神タイガースの4番、アニキこと金本知憲選手のことである。

「ともかく明日、覚悟しとけ」

「お前がな」

 そう言って電話を切った。
 さぁ、明日は久々のパワプロ対戦だ。野球日和だ!
 電話を切ったあと、戦い前の高揚した気分にしばし浸っていた。

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 ――が、何か視線……というか邪気を感じるのでゆっくり振り向く。
 すると姉がこちらを、なんつーか満面の笑みというか、死神リュークが笑うときのような顔をしてこちらを見ていた。

 ――ゾッとした。

「な……なに?」

 そのまま背後に立たれていると怖いので、一応聞いてみた。

「決闘か? 明日は奴と決闘か!?」

「は?」

「上等だの覚悟しとけだのボコボコにしたるだの半身不随にしたるだの植物人間にしたるだの、ワレさっき電話でほざいとったがな」

「いや、そこまで言ってねぇ……」

 プライバシーとかうちにはそんなもの一切ない。
 姉はどうやら先ほどの電話を聞いていたようであった。
 しかも何か大きく誤解していらっしゃる模様。

「つか、ちゃうよ。んな決闘とか大げさなモンでなく、ゲームで対戦するっつーことやがな」

 その瞬間、姉の笑顔は一瞬にして崩れ、般若のごとき形相へと瞬時に変化した。

「ああ!? ゲームやと? 何言うとんじゃ。男やったらコブシで白黒つけんかぃ!」

「なんで殴り合いになんねん」

「殴り合ってこそ真の友情がうまれるんちゃうんかぃ。ワレはヒヨコか? ピヨピヨ鳴きながらゲームで決着つけてどないすんねん? そんなんでやっていけるとおもっとんのか?
 お前は地球の存亡の危機になったとしてもゲームで解決できるとおもっとるんかぃ!?

「いや、わけわかんねぇよ!」

「口ごたえすんなや!」

「はい、すいません...」


 どうしてタカと真の友情をうまなくちゃいけないんだ……。
 なぜ地球存亡の危機にまで話がスケールアップするんだ……。

 この後、道場で正座させられ、いかに男同士の戦いが産みだす利点とかを懇々諭されるハメになった。

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 ・

「つーわけで、明日なぜかパワプロじゃなくて道場で決着つけることになったから」

「は? なんで!? わけわかんねぇよ!!?」

「地球存亡の危機だ、仕方ないだろ」

「はぃ!? なんでだ!? なんでそんな話になったんだ!!」

「知らん。じゃあな」

「ちょっとま...」

 ブツン...ツーツーツー.....




posted by BlueTasu at 00:00| Comment(2) | TrackBack(0) | ゲーム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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